症例別眼科後期研修プログラム:緑内障
緑内障
日本における、40歳以上の緑内障の有病率は、5.8%であると報告されており、眼科領域では非常に重要な疾患のひとつである。緑内障の診断、病型分類、治療の理解及び実践が必要不可欠である。具体的には以下のポイントが習得できるよう指導する。
診断
(1) 細隙灯による前眼部観察(角膜、隅角、虹彩、水晶体など)により、緑内障を疑う所見を捉えることができる。同時に前房深度の評価(van Herick法)が行える。
(2) 眼圧の測定(Goldmann圧平眼圧測定)が行える。
(3) 隅角鏡にて隅角検査が行える(Shaffer分類、PAS、血管新生など)。
(4) 視神経乳頭(乳頭陥凹、色調、周囲変化、出血)、神経線維層欠損の観察、評価が行える。
(5) 視野検査(動的視野検査、静的視野検査)が行え、検査結果の評価が行える。
分類及び治療
上記の検査によって得られたデータをもとに、緑内障の分類、治療方針、治療を適切に行うことが必要である。具体的には以下のポイントが習得できるよう指導する。
(1) 急性原発閉塞隅角緑内障の診断及び治療が行える(薬物治療及びレーザー虹彩切開術)。
(2) 原発閉塞隅角緑内障の診断が行える。また眼圧、視野進行に基づいた治療計画及び薬物治療が行える。また、レーザー及び観血的手術の時期を判断できる。
(3) 原発開放隅角緑内障の診断が行える。また眼圧、視野進行に基づいた治療計画及び薬物治療が行える。また、レーザー及び観血的手術の時期を判断できる。
(4) 続発緑内障(ぶどう膜炎、落屑症候群、ステロイド)、血管新生緑内障の診断及び薬物治療が行え、レーザー及び観血的手術の時期を判断できる。
(5) 乳幼児の緑内障の診察が行える。
(6) 手術療法としてトラベクレクトミー、トラベクロトミー手術の適応を理解し、手術助手を行える。
(7) 緑内障手術の合併症を理解する。
上記のポイントに即して、適切な検査のもと、適切な治療方針の決定が行えるように研修を行う。