後期臨床研修について
年間
最初の1年で外眼部手術、最初の2年で白内障手術を習得する。最後の2年間で専門性を持って緑内障手術、網膜硝子体手術を学ぶ。また神経眼科、ぶどう膜炎は4年を通じての研修を続ける。眼科診療基本手技は4年間、その技能、知識を磨く。4年後には眼科専門医取得が目標である。
週間
研修成果評価方法
研修開始にあたり日本眼科学会認定眼科専門医制度研修カリキュラムをおのおの研修医に配布する。研修医は自分でそれらに記入することで自己評価を行う。指導医は一ヶ月に一度自己評価を点検し、研修医の到達目標達成を助ける。さらに総括的には以下のように研修成果の評価を行う。
1.評価方法
1)ペーパーテスト(客観、論述)
2)口頭試問
3)レポート提出
4)シュミレーションテスト
5)診察手技
2.評価基準
上記の1のうち論述は配点基準にそって採点し、2〜4は評価マニュアルに従って客観的に採点する。
3.評価項目と評価方法
1)行動目標における知識の習得
(ア)ペーパーテスト(3ヶ月後、6ヶ月後)
(イ)口頭試問(9ヶ月後)
2)行動目標による技能の習得
(ア)シュミレーションテスト(ウエットラボでの豚眼の手術)
(イ)診察手技(臨床での評価)
3)経験した疾患のレポート提出
4)行動目標による倫理、態度、習慣の習得
奈良医大眼科入局後の進路
眼科後期研修プログラム
特徴
1.指導医と上級指導医による屋根瓦式指導体制をとり、研修医に対してきめ細やかな指導が行える環境を整えています。
2.眼科研修の中でも、特に手術教育に力を入れています。当科独自の手術研修マニュアルに従い、豚眼を用いた手術研修を指導医と徹底的に共に行います。豚眼実習では手術手技を各段階別にstep by stepで修得していきます。
3.眼科専門医取得のために必要な2報以上の学会報告、学術誌への自著論文掲載などの受験資格を研修医のうちに得られるよう指導しています。
4.日々広く眼科臨床を学び、その中から専門とする分野を研修医自身で決めていけるように指導しています。
要約
屈折調節検査、細隙灯顕微鏡観察、眼圧測定、眼底検査、斜視検査など眼科診療に必要な基本手技を早期に身につけ、それを基本として患者の診療を行っていく。
まず所見を正確に把握して判断し、疾患の診断を行うことが重要である。そのためには眼科的検査の理解と習熟が必要になる。基本的には眼底撮影、蛍光眼底造影、OCT、超音波診断、屈折調節検査、斜視検査、網膜電位図、視覚誘発電位、視野検査など眼科診療に欠かせない検査について理解し、修得する。
主治医として各疾患の診断ができるようにこれらの検査を理解するとともに、疾患についての病態を理解し、症例検討会でも十分に討論することによって、十分に考察し、疾患についての知識を身につけるように研修する。同時に治療に関しても薬物治療、レーザー治療、手術治療を理解しなければならない。薬物に関しては抗生剤、抗ウイルス剤、ステロイド剤、抗炎症剤、眼圧下降剤等の理解と実際の使用方を疾患ごとに経験し、学び、治療の適応と実際を実践し、修得する。レーザー治療についても適応を理解し、実際を経験し、手技を修得する。
手術治療については、まず豚眼で白内障手術訓練を行い、その後人眼を経験する。手術の助手を行い、良く手術を理解し、徐々に術者として経験することによって、手術手技を高めていく。特に白内障は術者としてできる限り多くの症例を経験し、ほぼマスターできるように研修する。
これらの研修は各プログラムに従って研修委員の指導のもとに研修する。そして研修医は少なくとも一ヶ月に一度は指導医とともに自己評価を点検し、研修医の到達目標を達成する。また一方研修委員は、学会発表、論文作成についての指導を行い、眼科専門医を取得できるように指導を行う。
症例別眼科後期研修プログラム