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症例別眼科後期研修プログラム:角結膜

 

角結膜

 
 角結膜の診察では、角結膜そのものを診察するのはもちろんのこと、眼瞼、涙液、眼圧、前房などを含めたその他の眼所見、全身的な合併症など角結膜に影響を与えるその他の要因を把握した上で、角結膜の診察にあたる必要があるということを理解する。つぎに角結膜の解剖やその機能、正常の所見について理解する。
 実際の診察では、まず細隙灯顕微鏡を用い角膜、結膜の診察を行うが、その際に直接観察法、間接観察法、フルオレセイン染色法を用い、詳細な所見をとる能力を養う。さらに眼瞼の状態、涙液メニスカス、BUTなどの涙液の状態や前房の状態を含めたその他の眼所見をとる能力を養う。その他に涙液分泌検査、角膜曲率半径検査、角膜内皮撮影、角膜形状解析装置などの検査についてその目的や方法を理解した上で検査を行い、結果を読み取る能力を養う。
 ウイルス性結膜炎(流行性角結膜炎)、アレルギー性結膜炎、乾性角結膜炎、兎眼性角膜炎、細菌性角膜腫瘍、ヘルペス性角膜炎、角膜ジストロフィ、蚕食性角膜腫瘍、水疱性角膜章、円錐角膜などの主要な角結膜疾患の病態と治療について理解する。また実際の症例の診察を行い、診断と治療方針を決定する能力を養う。
 また角結膜は眼表面に位置するため、外傷などの影響を受けやすく、角結膜診療においては、角膜びらん、結膜びらん、角膜異物、結膜異物、角結膜化学外傷などの外相に伴う眼疾患に遭遇することも多い。そのため、それらの疾患に対し適切な診察と診断、一次的な処置が行え、今後の治療方針を決定する能力を養う。
 翼状片手術、全層角膜移植術、表層角膜移植術、深層角膜移植術などの手術の適応疾患、手術方法、術後管理などに対し理解する。翼状片手術については、執刀医として手術を行い、またそれ以外の手術については助手と手術の一部を行える能力を養う。またアイバンクの提供眼を経験する。

(1) 間接法・染色法を含めた細隙灯顕微鏡検査で角結膜の所見がとれる。
(2) アデノウイルス結膜炎の診断ができ、感染予防対策がとれる。
(3) 角膜化学腐蝕の処置ができる。
(4) 結膜炎の鑑別診断ができ、治療計画を立てることができる。
(5) 角結膜感染症を診断し、培養及び塗抹に必要な検体を採取できる。
(6) ドライアイの診断ができ、治療計画を立てることができる。
(7) 上皮型角膜ヘルペスの診断と治療ができる。
(8) 円錐角膜の診断ができる。
(9) 角膜移植の手術適応を理解している。
(10) 角膜知覚検査ができ、結果を評価できる。