研究テーマ

基礎研究

 

眼疾患における小胞体ストレスの関与

 
小胞体ストレスとは低酸素・虚血・老化などの負荷がかかると蛋白質の折りたたみがうまくいかず異常な蛋白質が蓄積する状態を言います。加齢黄斑変性や糖尿病網膜症で小胞体ストレスの関与が推察されています。私たちは網膜色素上皮細胞にmildな小胞体ストレスを負荷すると、tight junction を構成するzonula occludens(ZO)-1、occludin、claudin-1の発現が上昇していることを明らかにしました。つまり、 mildな小胞体ストレスは細胞保護的に働き、tight junctionが強くなります。加齢黄斑変性の発症に先立ち、網膜色素上皮細胞の基底膜の脆弱化がおこり接着が弱くなる一方、tight junctionがmildな小胞体ストレス下で強くなる、このような状態が網膜色素上皮剥離という病態を起こすことを示しました。さらに、小胞体ストレスと加齢黄斑変性や糖尿病網膜症の関係の研究を進めています。

1. Increased expression of tight junctions in APRE19 cells under endoplasmic reticulum stress.
Tadanobu Yoshikawa, Nahoko Ogata, Hiroshi Izuta, Masamitsu Shimazawa, Kanji Takahashi
Current Eye Research 36: 1153-63: 2011
 
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